原稿が捗っているとき

どうも僕は原稿が凄く捗っている時って、自分もその世界に入っているらしい。ようは、その世界にいるから視覚的にもその背景がよく見えて、次の展開が指先で打つよりも先にどんどん展開していく。そしてそれに追いつこうと必死にタイピングし続ける、という具合。

けど、それは決して小説を書くのが楽しいのではなくて、それをただただ記録として残しておきたい、という気持ちの方が強くて、寧ろ、僕は小説を書くのが楽しいと思ったことなんてない。いや、純文学を書いてた時は楽しかったかな。

コミケ用の原稿をやっていた時、あまりにもその世界に没入してしまった。だからキャラ達に起きたことや行動に涙したり、怒りを覚えたこともあった。そこまでいくと自分でも心配になってくる。

で、一番問題だなと思ったのは、その小説では食料をまともに確保出来ない設定だったのだけれど、書き終えてから、買い出しのためにスーパーに行ったとき

「すごい……食料がこんなにも楽に手に入るなんて!」

と考えてしまったこと。エマや乙嫁語りを描いてる森薫先生は、乙嫁語りの原稿の後はエスカレーターやパックに入った肉を見て「なんだこれ、すっごい便利!?」と驚いてしまうらしい。僕のも多分それと似てる感じなんだろうね。

感情移入するのは良いことだと思うけど、小説だと相手に伝えるべき情報量を書き忘れる危惧もあるわけで、そこは落ち着いて校正した方がいいなとは思います。